第8章 学生恋愛の事情
「カルマ、お風呂入ってくるから離して」
「え、やだ」
「やだじゃない」
「一緒に入ろ?」
「・・・まだ入ってないの?」
「髪濡れてないし、服も変わってないっしょ?」
こういういつも気づくことに気がつかないのはあたしが少し酔ってるからだろうか
「ずっと、帰ってくるの待ってたから」
そう言う言葉に無性に笑みがこぼれる
「ん」
抱きしめてくるカルマと一緒に脱衣所に向かう
アルコールの回った頭はしっかりとした思考はしないままで
いつもの羞恥心も、どこかぼやけていく
上を、カルマの顔を見上げると、目元にキスされた
「おかえり」
思いのほか優しかった言葉に少し驚いた
「ただいま」
笑ってそう返すと、カルマは満足したようで
あたしに笑い返してから、服の中に手を入れ出す
「は?え、なに?」
身を捩って、手から逃げ出そうとするけど無駄だった
動けない
そんな雰囲気じゃなかったでしょ!?
なんで急に、そんな
「はオレのだもんね」
問いかけてくる声は優しいのに、肌を滑る手は徐々に敏感な部分へ向かう
「もー、お風呂入るんでしょ!?」
少し背伸びしてカルマの頬を手で包む。そのまま口付けた
「入ってから続きしよーね」
けらけらと笑うカルマから視線を逸らせる
やけに可愛く見えて、もうどうしようもないんだなと自覚する
ため息をつきそうになった瞬間、服を脱がされそうになって
自分で脱ぐからと拒むと、もオレの脱がしてくれればいいじゃん、なんて
それにときめいたのも、もう酒のせいってことにしとこう
頷いて、カルマの服に手をかけた