第8章 学生恋愛の事情
「遅い!」
「遅くなるって言ったよ」
家に帰るとリビングのソファーの上
カルマが腕と足両方組んであたしに不機嫌な声で話しかけた
「日付が変わる前に帰っておいでって言わなかった?」
言われました
覚えていたから黙る
「学生街とは言え夜は危ないんだからさー」
カルマが立ち上がって近づいてくる
しゅんと項垂れていたあたしを包むように抱き締めた
「しかも、今日サークルの集まりでしょ?」
「ん」
「こんな夜遅くまで、オレ以外の男と一緒にいるとかやなんだけど」
「ごめんなさい」
「手出されたりしてないよね??」
「当たり前でしょ」
そんなの許さないし
自分の頭より少し高い位置にあるカルマの頭を撫でる
「酒の匂いがする」
「・・・飲んでたもん」
「・・・むかつく」
「ごめんって」
カルマがこうやって独占欲からくる言葉を吐き出すのにはもう慣れてる
これは彼なりの甘え方だってことも知ってる