第6章 ここで暮らそう、そうしよう
インターホンの音
ドアを開けてカルマを招き入れる
「おはよ、良いもんってなに?」
「これ」
はいっと手渡されたのは学生用に配られてるアパートなどの載ったカタログ
「36ページあけて」
「え?あ、うん」
言われた通りにページを開く
普通のアパートの写真と間取りが載っているだけだった
「そこ、よくない?」
「なにが?」
「そこそこ安いし、結構広いでしょ?大学からも近いし」
「うん?カルマここに住むの?」
「あー、もう」
そこまで言ったら分かって欲しいんだけど、とカルマが若干不満そうな声
「同棲しちゃおうよ、いっそのこと」
声と同時に抱きしめられる
言葉と行動どっちにも驚いて思わず体がはねた
「え?え・・・」
「や?」
「嫌じゃないけど・・・」
そんなこと考えてもみなかったな
「一緒に暮らそうよ、」
耳元にささやくような声
思わずそんな日々を想像した
朝弱いカルマを起こして、一緒にご飯食べて、一緒に学校行って
夜は一緒にテレビ見て、その腕に収まりながら寝るんだ
そんなのすごく幸せなんだろうなって
嫌な面も沢山見えちゃうかもしれないけど
それでも、それも全部受け止められるなら
黙って返事を待ってるカルマ
目が真剣な光を湛えてこっちを見てる
きっと大丈夫だと思った、受け止められる
だってこんなに大好きなんだもん
「・・・しよっか、同棲」
ちょっと恥ずかしくなって、俯きがちにそう言った
「ありがと」
すごく優しい声を聞いた、思わず顔を上げると笑ってるカルマがいた