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台風のちに快晴、そして虹 【気象系BL】

第26章 Rush around




智くんに勧められるがまま
寂しさを埋めるように
飲み続けた

「俺が冷たくしたかもしんねぇけどさぁ〜…
潤のやつ、連絡くらい寄越せよな〜…」
「そうだね…」
「翔…その辺でやめとけ?」
「い、や、だっ!」

グダを巻きながら進むペースに
手元のジョッキはすぐに空になって

智くんの飲みかけのジョッキを掴んで
それを勢いよく呷る

「おいおい…」
「っぷは!うんま…っ」

いつもなら隣に潤がいて
俺の体調気遣ってくれるのに…

もう、そういうこともねぇのかな…

「ちょっ…翔くん、大丈夫っ?」
「…ふふ…でぇ〜じょぉ〜……ぶいっ(〃ω〃)v」
「大丈夫じゃないだろっ」

うつ伏せでピースサインだけすると
ふわりと体が浮く感覚がして

ぼんやりした意識の中、
会計を済ます声が聞こえたあと
火照る体に冷たい風が当たる

久々にこんなに飲んだな〜…

足元がおぼつかない俺を支えてくれる2人に
身を任せながら
色とりどりのネオンの中歩く

「もお、さとぼ〜が飲ませるからぁ〜」
「ごめん〜…」

耳元で謝ってる智くんに心の中で謝る

俺を元気づけようとしてくれてたんだよね?

わかってて、それに甘えてしまった

俺が蒔いた種…
回収したくても潤がもう、
向き合ってくれないなら…

このまま、潤を…
失っちゃうのかなぁ……

「…っ、ぅ〜…」
「え、翔っ!?」
「気持ち悪いのっ?」

背中をさすってくれる2人に
ふるふるっと…頭を横に振る

気持ち悪くなんてない
ただ…

なんでかわかんないけど涙が溢れてくる…



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