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IN DREAM2

第13章 青い炎


「アドラが何を知ってるのか、深追いはしないさ」
「お、珍しいな。
お前ならすると思ったが・・・
変わったな」
寂しげな表情を見せるアドラに
ジェイクは別の寂しさを感じ、拳を握り力を溜めていく
炎が拳に宿るとアドラは死期を悟る

「ジェイク、お前なら出来ると信じてるからこそ
俺の夢を託す」
「え」
「俺の代わりに、自由になってくれ
そして世界を見て回り、多くの経験を得て
一族の呪いや闇に縛られてる奴等を助けてやってくれ
俺みたいな奴は・・もう、生み出さない世界を作ってくれ。」
本心で語るアドラの夢
その夢に、ジェイクの意志と、その中に眠るインドリームの炎が応える
拳に宿す炎は今までの中で1番燃え盛り、光を宿している
インドリームの意志がアドラを消滅させる際、苦しむことがないように自ら変動したのだ

今、ジェイクとインドリームの意志は一つとなった
アドラは語り終えた事で満足気な笑顔を向け、目を閉じる
ジェイクは止まらない涙を堪え、震える右手を左手で抑え、己の中でも強く念じた言葉を口にする

「ありがとう、アドラ。
そして、さよなら・・・ーーーー!」

勢いよく右手の拳から炎を突き出し
アドラの全身を包んで行く
炎は瞬く間にアドラの全身を焼き尽くし
精神体は消えていく
それでも終始アドラの表情が変わらないのは
光に包まれるような温もりを感じれるように
インドリームの意志が働いているからだ
足先、手先から消滅していくアドラは
最後に残った力を振り絞る
「ジェイク、俺の友達であってくれて、ありがとうな。」
「!」
「後は頼んだぞ
親友。」

かつて見たことがない笑顔を最後に
アドラは完全に燃え尽き、完全に消滅した

それと同時に周囲は眩い光に包まれ
ジェイクは咄嗟に目を隠すように両手で防ぐ





現実世界ではアドラの肉体が消え去り
異空間は存続させる存在を失ったことで爆発を起こしながら崩れていく
「風よ!
全てを包み込め!」
ヒルトはその場にいた全員に風の加護を与え、空中に浮かし
壊れていく異空間から脱出するために空高く飛んで行く
倒壊する建物の瓦礫を避けつつ
亀裂が発していた隙間から逃げ出し
ようやく元の世界へ辿り着いた

そこは真夜中の砂漠で
満天の星空が出迎えた

「何とか皆無事に出れたね」
腰を抜かすイリヤだが
横にいたアランは直ぐに立ち上がる


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