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IN DREAM2

第13章 青い炎




「不適合者、か――――――。」

ため息を混ぜながら煙が立ち込める灰色の空を見つめ、呆れた表情で塔の屋上で立ち尽くすアドラは
右手に握りしめている赤い玉を空にかざす

異空間の中に太陽光は存在しない
だが、どこからかそれと似た光が天から一筋入り込み、赤い玉を照らしては眩い光を反射する

宝石のような輝きと中に潜む膨大な魔力の渦は
赤い玉がただの宝玉ではないことを示す



「どうしたんだよアドラ
宝石好きなら、俺の秘宝を分けてやってもいいぜ」

赤い玉を空にかざすアドラに声をかけたのはバザン・ベクレルだった
魔術で小さな異次元を造り、その中に手を入れてはすぐに取り出したのは、ただの宝石
アドラが持っている赤い玉と輝きは同じでも、それはただの石だ

「あのなー、いつまでも子供扱いするなよバザン」
呆れた表情だが、少し口角は上がり、親しみながら答えるアドラは赤い玉を腰のポケットにしまう
「俺はいつから宝石好きになったんだ」
「んーわかんね」
拍子抜けしそうな他人事で話を逸らすバザンは
口笛を吹きながら目線をそらす
バザンは決して馬鹿にしているのではなく、アドラだからこそ嘘偽りなく話しているのだ

「・・・なぁバザン
お前とビーチェ、コズモは火族の記憶改竄を受けずにずっと生きてきたんだろ?
お前達兄妹から見て、俺とジェイクはどう見えた?」
「なーんだよいきなり」
「さっき、ジェイクと風のインドリームの力が共鳴した
きっとジェイクの記憶の中に入ったんだろう
その影響は俺にもきたんだよ」
「ジェイクの過去が見えたってことか・・」

バザンの問いに、アドラは言葉を発することなく、頭を上下に振り、問いに答えた
アドラはジェイクの過去と真実を知ることで、自ら進む道を客観的に確認したかったのだろう
嘘で塗り固められた人生を歩む火族が異界から復活し、インドリームとなって自由を手に入れることが
果たしてどう見えるのか
冷静に自己分析と第三者からの評価、視点を含めて再計算した時、この計画に綻びが生じないのか
これはチームを束ねるリーダーとして必要なことであり、間違った考えではない
自分を慕うキミ・ミズエや、暗殺を得意としたビーチェ、諜報員のコズモの意見でもなく、一番の年長者でアドラとジェイクのことを誰よりも傍で見ていたバザンの意見が適格だ


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