第3章 半魔
「ふーーーーっ。」
汗を大量にかき、腕を捲るヒルト
「よし、演算方式、わかったぜ」
「え、ええええ?!」
「あの作業で全てを記憶したのですか?!」
「あぁ、本の中に流れる魔力を風の力で俺の中へ流したんだ。
そうする事で本の内容が直接俺の中へ記憶され、物理的に読まなくても、読んだことと同じ事になれる。
これがおれの風の能力の一つなんだ」
「あ、ありえない・・・
そんな事ができるなら、魔族の闇の魔力を取り除いて人に戻す事だってできるんじゃないの?!」
「残念だけどそれはできない。
俺が通用するのは生きていない魔力。
つまり、生命には通じないんだ。」
「そ、そっか」
「またこの能力は他でも見れると思うし、その時にくわしく教えるさ。
あと、マーベルとお兄さんの居場所、なんとなくだけど見当がつきそうだから、地図をかしてもらえないかな?」
「え、えっ!?」
慌てながら急いで手元にあった地図を差し出すエリンシエ
「あの本の中にヒントがかいてあった。
おそらく、場所はここだ」
ヒルトが指を指したのは、町外れにある森の奥だった