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【進撃の巨人】ティアドロップ

第11章 噂の行方


「エレン!

もう仕事終わりなの?

それならあたしとご飯行かないかしら」


なんでこうもタイミング悪くリザさんと会うんだ...。


自分の運のなさに頭を抱える。


「いえ、このあと予定があって」


「予定?

予定ってなぁに?

あたしより優先すること?」


「はい」


「...あの人のところに行くの?」


「はい」


「どうして?

あたしの方がエレンを好きなのよ」


「キョウカさんは俺の彼女です。

じゃあ」


口早に告げ、歩き去る。


「......フーン...彼女、ね。

許さない」


すれ違う人が皆振り返る程の形相をした彼女に、気がつかなかった。


「キョウカさん!」


執務室の戸を勢い良く開ける。


「そんなに慌てなくてもどこにも行かないよ」


と、苦笑した。


「書類は?

あとそれだけですか?」


「うん、そう」


「...書類が溜まり過ぎてて部屋にも帰れないっつーのは?」


ジトリとキョウカさんを睨む。


「ごめんね、嘘」


「嘘ついたんですか...?」


キョウカさんが書類を溜めるなんて変だと思ったんだ。


「ごめんね」


申し訳なさそうに眉を下げた。


その顔も可愛いけど。


「...俺、嘘嫌いです」


そう言うと、キョウカさんの表情がより曇った。


「......寂しかったんですからね」


プクリと頬が膨らむ。
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