第11章 First contact…
それからはもう無我夢中だった。
気が遠くなるくらいに潤に身体を揺さぶられ、閉じることを忘れたかのように開いた口の端からは、とても自分の声とは思えないような…、正常な思考だったら耳を塞ぎたくなるような、甘ったるい喘ぎが漏れた。
「気持ちいい? ちゃんと俺を感じてる?」
「わ…かん…な…、でも…すげ…ぇ…、熱い…」
聞かれたって、何がどう気持ちいいのかなんて、分からなかった。
ただただ熱くて熱くて堪らなかった。
と同時に、繋がった部分から蕩けて行くような感覚が、それが快感なんだということを伝えていて…
「…潤、もっと…」
一度(ひとたび)快感を覚えた身体は、俺をどんどん淫らにさせていた。
いつしか俺は、もっと身体の深い場所で潤を感じたくて、自ら腰を揺らし、目を覚ましたばかりの潤の淫欲を煽った。
「さと…し…、さと…っ…」
浅く呼吸を繰り返しながら俺の名を呼ぶ声に、俺は伸ばした両手を背中に回して答える。
もしもこの胸の奥に秘めた感情を口に出してしまったら、きっと今よりもずっと潤を苦しめてしまう。
それが怖くて…そうなるのを避けたくて、俺はキュッと唇を噛んで声を殺した。
「さと…し、俺、もう…っ…」
潤が俺の両足を抱え直し、腰の動きに加速を付けた。
「ひっ…あっ…、あぁっ…!」
身体の奥深くを突き上げるような動きに、堪えきれずに悲鳴が漏れる。
それでも潤は動きを止めることはせず、我武者羅に腰を打ち付けては、汗なのか、それとも涙なのか…雫をポタポタと顎の先から落とした。
ごめんな、潤…
お前がどれだけプロのダンサーを夢見てたか、本気で夢を叶えようと努力してたのだって、いつも隣にいる俺が一番知ってた筈なのに…
なのにごめん…
でもな、俺だってせっかく掴んだチャンス、無駄にしたくないんだ…
だからごめん…
こんなことしかしてやれなくて、ごめん…