• テキストサイズ

踊り子【気象系BL】

第11章 First contact…


潤はもどかしくなるくらい、不器用な手つきで…、それでいてこれ以上ない、ってくらいに優しく俺の全身を撫で、至る所に唇を落とした。

俺の中心にも…それから後ろにも…

正直、嫌悪感なんてもんは微塵も感じなかった。

寧ろ人に触れられることが、こんなにも気持ち良いモンだって、初めて知った。

でもいざ挿入、ってなるとそうも言ってられなくて…

「くっ…ぁ…っ…」

充分に慣らしたつもりでも、ほんの尖端が挿っただけで、繋がった部分から身体が裂けていくような痛みに、息が詰まり、ギリギリと噛み締めた歯の隙間から、呻きが漏れた。

「さと…っ…、力抜いて…、じゃないと、俺も…、キツ…い…」

潤の言わんとすることは分かる。

でもどうしたらいいのか分からず、俺は激しく頭を振り、藻掻いた手はラグを握り締めた。

「やっ…、ムリっ…、抜け…よ…」

「智…、俺を見て? 怖くないから…、な…、智…っ…」

潤の手が、ラグを掴んだ俺の手に重なる。

そして「大丈夫だから…」と、俺の耳元に囁きながら、唇が重なった。

唐突に唇を割って入って来た潤の舌先が、俺の咥内を掻き回すように動き回る。

「ん…ふぁ…っ…、んん…」

いつもの、ふざけ半分のキスとは違う濃厚なキスに、頭だけじゃなく、身体までもが溶かされて行くような感覚に襲われた、その時…

「んんっ…んんん………っ……!」

俺の全身から一瞬力が抜けた隙をついて、潤が腰を押し進めた。

「挿った…よ…、全部…」

額から流れた汗を顎先から滴らせ、潤が安堵の息を吐いた。

「痛く…ない…?」

それまで俺の手を握っていた潤の手が解かれ、その手が今度は俺の髪をそっと撫でる。

「…ん、なん…とか…」

痛くないと言えば嘘になる。

それでも途轍もない圧迫感があるだけで、挿入時に比べれば、痛みはそれ程でもない。

俺は潤に向かって引き攣った笑顔を向けた。
/ 426ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp