第7章 三角形 case4
こんな話、相談出来るような相手は校内に居る訳がなく。
悩みに悩んで、向かった先は…。
青葉城西高校。
あの人なら、特別気になる人が出来てしまった時の対処法を知っている気がした。
流石に他校に堂々と入る事は出来ず、校門前で出待ちする。
ただ、相手は部活をやっている人だったから、出てくる時間が不透明だったのが誤算。
何時間も校門の前に他校生が居るのを不審に思った先生に捕まってしまった。
こんな状況を予想してなかったから、言い訳なんか思い浮かばない。
「先生、俺のファン、ナンパしないで。
ねぇ、及川さんの事、待っててくれただけだよね?」
そこを助けてくれたのは、愛想の良い笑顔を浮かべた目的の人物だった。
彼は部活の面で成績を出していて有名で。
かなりモテて、ファンが多数存在してるのも有名で。
私が頷いて肯定すると、先生は納得したように校内に戻っていった。
「…さて、その制服って伊達工だよね?うちに何の用なのかな?」
先生を見送ってから、こちらに及川さんの目が向く。
さっきとは違って、とても冷たい目だった。
「何の用って…及川さんに会いに来たのは、間違いじゃなくて…。えっと…。」
怖くなって、本題は口から出ない。
どうすれば良いか分からなくなっていると…。
「なーんだ。敵情視察かと思ったんだけど、違うの?それなら、話くらい聞いてあげても良いよ。」
自己完結して、人好きしそうな笑顔に戻ってくれた。