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【忍たま乱太郎】かぐや姫

第4章 一年は組学級会議


その日、一年は組の教室は明らかな異変があった。
子供が感じ取る些細な変化でも、忍の勘でもない。
目に見える形で、声のトーンで、或いは消耗品の数で、いつもとは明らかに違っていたのである。
そのためいつもは居眠りをするしんべぇでさえ、寝ることはなかった。

ヘムヘムの鐘の音と共に教室の戸が閉まるのを確認すると、自然と輪ができる。

「ねぇ、変だよね。」
「変!遅刻してくるし。」
「忘れ物するし。」
「授業の内容あべこべだし。」
「チョークが飛んで来ない。」

「こんなの、いつもの土井先生じゃない!」
全員の意見が一致する。

「変と言えば、六年生も変だった。」
「うん、朝食の時に見かけたけど、心ここに在らずというか。」
「魂抜けましたみたいな。」
「恐い顔してた。」
「七松先輩が大人しいんだ。」
「潮江先輩がギンギンじゃない。」
「それは絶対おかしい!」
「善法寺先輩が穴に落ちた。」
「それは…いつもかも。」
「何か訳がありそうだね。」
「何かって何?庄左ヱ門。」
「それは僕にだってわからない…だけど、」
「だけど?」
「山田先生なら知ってるかも。」
「そうだ!山田先生に聞きに行こう!」


「で、私のところに来たと言うのか?」
「はい、そうです。」

ランチを終え茶をすすっていた山田は、やれやれと大きなため息をつく。
一年は組が血相を変えて来たので何事かと思えば、呆れた話だった。
土井及び六年生の様子がおかしいのは気付いていたし、それが昨夜の出来事のせいだというのもわかっている。
あの時、山田土井以外にも複数の気配が彼女を囲んでいたが、その中に六年生もいたという訳だ。

しかし、

「それ、私も気になったなぁ。」
「椿さんもですか?」
「何があったんでしょうね?」

食堂でその話をしなくても良いだろう!と山田は頭を抱えた。
は組と椿は、どうしたものかと話し合っている。
原因はあなただと言いそうになるのをぐっと堪える。
椿に落ち度はない。土井や六年生が勝手に惚れて、勝手に失恋した。それだけの話だ。

「父上、こちらでしたか。」
「利吉さんだ。」
待っていたよ、利吉。今日は良いタイミングで来たな。

は組の連中が、利吉が山田の息子でフリーの忍者でいかに凄いかを次々に椿に説明する。
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