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英霊の刀【ONE PIECE 】

第3章 後編



ユーリが施設に入って2時間が経過したとき、目の前に巨大な水槽が現れた。

正直限界が近づいてきていたユーリは、その水槽に寄り掛かるようにして息を整える。



「…?」


ユーリは早く見つけなければと気持ちが焦っている時、誰かに呼ばれるような感覚に陥った。


無意識に視線を水槽へと向ける。

暗い水槽の中には、何も見えない。


だけど、どうしてだろう。


誰かに、ローに呼ばれている気がした。


ユーリは気が付けば水槽の中に入っていった。


「……っ!!」


途端に感じたのは、今までの汚染された魔力とは比べられない程の不快感。

ユーリは一瞬意識を失いかけたが、必死に魔力を保ち続けて水槽の中を泳いでいく。

もしここで魔力が切れたら、ユーリは確実に即死するだろう。

それだけここの水は、汚染されていたのだ。



ユーリは水槽の中にもいた、汚染された生物達から攻撃を受けながら先へと進んでいく。




…あぁ、彼は今どうしているのかな。



出来れば間に合って欲しい。


施設に入る前に感じた禍々しい魔力。

ルフィから、闇の魔物が目覚めたと教えられた。


ユーリはぼやけていく視界の中で、ローと過ごしていた日々を思い出していた。

それはまるで、走馬灯のようだった。











「…がはっ…!」


ユーリは一瞬気が緩み、魔力を解除してしまった。

途端に彼女の中に入り込んでくる、汚染された魔力。

あまりの苦しさに、身体が引き裂かれそうだった。

ユーリの身体は、水槽の中で漂っていく。


次第に遠くなる意識の中で、ぼんやりと闇に包まれた空間を見る。

そんなユーリに追い打ちを掛けるように、襲ってくる魔物達。













……ふざけるな


ユーリはそっと瞳を閉じた。


……私はもう、落ちこぼれじゃない。ルフィから貰ったこの魔力を、無駄にはしない。












バリッ!!





水槽の中で走った強烈な光。



ユーリが再び目を開けると、その瞳は赤く染まっていた。

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