第15章 〜出生の秘密〜
『分かりました。ただし、くれぐれも無茶はしないようにして下さいね…。』
『我は、誇り高き龍…バハムート。
人間共よ……今こそ我の裁きを受けるがよい…』
『行くよッ!』
『まぁ!ワンミニッツエンチャント』
カルマが私に1分間魔力の減らない魔法をかける。
『サンダーストリーム!』
すかさずコロ先生がバハムートめがけて触手を伸ばす!
『バハムート…あなたは誇り高き神聖な龍。
闇になど飲み込まれるような方ではない!』
『我は人間が憎い…。ただ、駆逐するのみ…』
漆黒の闇がコロ先生を包む。
『コロ先生っ!』
そこに業火の劔をにぎったカルマが飛びかかる。
それを横目に見たバハムートは、大地を切り刻む鋭い爪で、カルマをなぎ払う。
『カルマ!』
『うっ……』
『ホーリーテンペスト!』
光の嵐がバハムートを包みこむ…。
やった…!?
『…その程度か?カラナの娘よ……。』
!!?
『何を言ってるの…?私は人間よ!』
『何も知らぬようだな…。我ら神聖なるモノが人間などと交わるなど……あってはならぬ!
死をもって償うがよい……』
バハムートがまぁめがけて襲いかかる。
ダメだ、回避が間に合わない!
『アイスホールド』
パキンッ……。
『今だ!』
結界師がバハムートを取り囲み、呪文を唱えていく。
『おのれ…人間共よ…これで終わると思うな……』
ビュシューーン。
闇が魔方陣に吸い込まれ、バハムートが力なく地面に降り立つ。
『我は…なぜここに…。』
『目が覚めましたか?バハムートさん。
あなたは、闇に呑まれていたのです…。』
コロ先生が優しくバハムートに語る。
『そうか…。すまぬ事をした…。』
『バハムートよ、我々カラナの者と共に来てもらう事になるが、良いな?』
『学秀、バハムートは闇にあやつられていただけなの!』
『心配するな、まぁ、手荒なマネはしない。』