第14章 〜兄弟で同棲?〜
登校中…。
『まぁ…』
ふと聞き覚えのある声に呼びとめられ、振り向く。
『学秀…何でここに…』
『なになに〜?また可愛い妹を誘拐しにきたのぉ?』
『ッ!違う。
僕ら五英傑も今日から、この学校の生徒。A組になる。』
『これでいつでも、君たちE組を監視できるということだ!』
『ふ〜ん?俺はてっきり、まぁだけが目的だと思ったけど?』
『無論、まぁのバグを取り除き、A組に戻す事はぼくの義務だ。お前にまぁは渡さない!』
『へぇ〜、ま、無理だと思うけどねぇ。』
『フンッ!ところでまぁ、僕は今日からお前の家で一緒に暮らす。
放課後、寄り道をせず、真っ直ぐ帰ってこい!』
『えぇ〜っ!やだよ…。1人暮らし長いから、誰かと一緒に暮らすなんて…。』
『これは決定事項だ!』
『いやいや、浅野君。なぁ〜に言っちゃってるの?
俺の存在忘れないで欲しいんだけど?』
『ふっ。では、放課後に。』
………。
『ど、どうしよう…。』
『んー?こりゃ参ったね。
血の繋がりはないとはいえ、兄弟だし、未成年のまぁを、保護者の同意もなしに俺んちに来させるわけにもいかないし…。』
『あっ!でも、結界三重にして、ドアには魔方陣も描いてあるから、私が許可した人以外入れないし、何とかなるよ!』
『何とか…ねぇ。』
ー放課後ー
カルマはダンジョンのボスでもあるため、冒険者が予約を入れれば行かなければならない。
(ってか、予約制なんだ。ま、学校来てるし仕方ないよね…)
1人暮らしのアパートへ。
よし!まだ学秀は来てない!
今のうちに、もっと強力な魔方陣と結界張っとこっと!
ガチャッ!
『遅い!真っ直ぐ帰ってこいと言ったはずだ!』
『!??
ちょっと。なんで学秀が中に入ってるのー?
ってか、魔方陣は?結界は?』
『そんなもの、僕程度なら簡単にやぶれる。それより、どこへ寄り道していた?』