第1章 砂漠の月00~70
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元就の家に集まって勉強会をしよう、市はそう月子に伝えると言われた本人は目をぱちくりさせて
「元就先輩の家に私が行ってもいいんですか?」と返されて、月子ちゃんは元就をどう見てるんだろう?
「学年違いますし、行ってもいいんでしょうか?」
「元就が来いって言ってたし」
「どうしよう、お母様って元就先輩みたいに厳しい方ですか?」
ああー、うん。これは言っておかなきゃいけないよね
晴久の方を見ると半分苦笑いで
「魔女の煮え滾る鍋を笑顔で作る天然さん」
「元就とは正反対の抜けてる人」
「へ?」
実物見ないとパッとしないよね、放課後晴久が送り迎えするから。行って見れば分かると伝えると
緊張からか急に震えだした。そんなに張りつめたらダメダメ、元就の家に着いたらきっと力抜けるよ?
今日から同好会や部活もお休みなので、さあ帰ろうと一旦家路に着いた。
着物に着替えて、今晩食べる為に作ったビーフシチューの大鍋を片手に
晴久に月子ちゃんの送り迎え頼んだし、今夜は私の家に泊まるので
のんびり歩いてたら遠くの方で、ブオンブオンとバイクの音がする?
暴走族か、この付近に来るの珍しいなぁ
音を聞きながら、元就の家のチャイムを鳴らすと、すぐ開けられたのは満面の笑みのお母さまで
「市ちゃんいらっしゃい」
「お邪魔しますお母さま」
「ごめんなさい市ちゃん、助けて」
「へ?」
急にお願いされ、また何をやらかしたのか部屋中に薄いけど白い煙が満ちてるよ何やったのお母さま!
持ってた鍋をお母さまに任せ、台所に入ると2階からも元就がバタバタ降りて来て
「また何をやらかした!母上!」
「元就こっち!」
「おいおい、何の煙だコレ」
「けほっ」
ちょうど月子ちゃん連れた晴久もやって来て一時大パニック
何をやったらレンジから煙が出るのかな!!スイッチ切って換気扇回して。ああもう。