第100章 未来(さき)へ
多種多様な民族には
それぞれの土地、それぞれの歴史がある
互いに違った文化があり、相容れないこと、分かり合えないこともある
けれど…いつか…必ず、手を取り合えると信じている
その為に俺は、生涯を尽くしたい
世界中の人々が手を取り合えるように——
18年前…恵土が9歳の頃
そんな卒論を、有吾が書いたものをネットで見つけて読んで…涙ぐんでいた
ネイバーフッド、ミデン
いつか…手を取り合えるようにと願っていたことを察して
戦乱中でお互い余裕の無い状況にも関わらず、痛い思いをしたにも関わらず、そう言ってくれたことへ涙した…感動からか喜びからか、恵土自身でもその涙の意味はわからなかった
で、有吾と再会した時に尋ねると
有吾『うるせえな!言うなよ誰にも!小っ恥ずかしいから
恵土『ええ〜?どうしようかなあ〜?』にまにま
有吾『お、おい;
まさか
恵土『お母さあ〜ん!
お父さんねえ!すっごいこと言っててねえ〜!!?
有吾の妻『え?なになに?』キラキラ
有吾『馬鹿!言うな!!絶対言うなああ!!』だっ!!
恵土『きゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ♪』
有吾『おいコラ待てお前えええ!!
恵土『置いてった仕返しだあ〜い!!^^♪』きゃっきゃっ
妻『ふふふふっ^^//』口元に手を当てて笑う
2人の親子が互いに走り回り続け、それを笑って見守る母
夕日が沈む中で、そんな状況になっていた
戦乱中だと余裕を無くす
身体だけじゃない、心にも…
だが、人が人を思い合う心を無くさない限り、希望は無くならない
互いに希望を抱けるようになれば…歩み寄ろうと出来れば、きっと変わるはずだと私は思います
そう願っています
空閑有吾——筆
手を取り合える、橋渡しとなり合える
そんな未来を信じ、ネイバーフッドを渡り歩いていた
そして地図を作っていた
ネイバーフッドへの先駆者と言った方が正しいのかもしれない
旧ボーダーの最初の思想だった
それを…当時、城戸は否定しなかった
お前はお前の道を行け、俺は俺の道をゆくと言われた時…
私の頭に、やりたいことが浮かんだ
恵土『もう誰も…孤児にならないで済む、独りにならない道を進む
ちゃんと…最期まで戦うよ』
有吾『忘れるなよ?
お前の家はここじゃない!地球だ!
必ず生きて戻れ
いいな?』頭を撫でる
恵土『うん!』頷
