第99章 瘀血(おけつ)
『トリオン器官破損、ベイルアウト』
どおんっ!!
今にも倒れそうな苦しそうな顔で、満足に動かない体で必死に右手を伸ばして行なっていた
敵の罠が二重三重にも張り巡らされているのを察したことによる動きだった
なんの音も無く罠は複数同時に訪れ入り込み、瞬きする瞬間にどちらも発動した
その間も罠は発動を続ける
恵土「ぐ、ぁ…
ぎゃあああああああ
あああああ…
ぁ…ぐ……
ぁ………
っ」かくっ
胸を両手で押さえ、トリオンを送り込み罠の動きを阻害し防ごうと試みるも効かず、苦しみのあまり脂汗が額に滲み、そのまま力を無くし、頭と腕を落とし、微動だにせず意識を手放す
トリオン器官を抜かれた恵土は、つい先程まで熱により赤らんでいたのとは対照的に、全身の血の気が引いたように真っ青で顔面蒼白になっていた
罠の機能である、拘束、トリオン器官の摘出
そのどちらも止める術も無く、されるがままに時は進む
時間にして5秒にも満たない時間で
それら一連の出来事が立て続けに起き
トリオン器官が胸の上に浮かぶ
ほんの数秒の内に
罠に捕まる、木虎もやられる、トリオン器官摘出工程に移る
という流れだった
秀次はモニター越しに見た、目の前で起こる光景を見て真っ青な顔をしていた
ありし日(4年半前、第二次大規模侵攻)のトラウマが蘇る
秀次『……ぁ…っ』震え
助けられなかった姉
胸元に大きな穴を空け、トリオン器官だけ抜き取られ死んでいった姿が重なる
東『秀次!しっかりしろ!!』背を叩くように強い声を出し張り上げる
秀次((はっ!)
そうだ…今は違う!
なんの為にボーダーに入ったんだ!!?)
間髪入れず飛んで来た東からの檄を受け
秀次は自らを叱咤激励し、即座に病室へ駆け出す
忍田『木虎が落とされた!
一番近くにいる隊員はすぐ
二宮『ハウンド』
全ての罠を一掃し、駆け付けた二宮
窓からポケットインスーツ入室
すっげえ!カッコいい!!あ、でも面接でやったら一発で落ちるな!等と恵土は茶々入れし、二宮に睨まれ即座に謝っていた
その直後
壊された罠が起こしていた
罠の内に取り込むという工程が中断され、黒い円環が消えてゆく
それによりトリオン器官は胸の中へ戻ってゆき、恵土は息を吹き返していた
しかしその影響による余波は大きいようで…
ずっと苦しそうに、苦悶の表情で冷や汗を見せていた
