第88章 神聖たる導き
あちらもこちらも守りたい気持ちがそうさせたのだろうか…
神格を手にしたガレスが、意気揚々と金剛鎧(ダイヤモンドガスト)を展開していた
ちなみに言うと…
神樹の集い(しんじゅのつどい)とは、宝珠の杖を魂の形に形態変化した際の名前だ
つまり本気モードと言える…見た目は宝珠が内側に取り込まれた状態だ
僕のものは変わらず同じ形態だった為、呼び名を変えなかった
竜の谷は、竜の巣という迷宮となったことで、結界により無事だった…←4851,4853,4854ページ参照
その周囲にあった竜生街(りゅうせいがい)も、その影響を大きく受けて全て無事だった
マグマの火の海に囲まれ、助け出したのは本人達の要望も在ってのものだ←5264ページ参照
2800年
25年9か月3日14時間24分
過ごした時間
残る自我と記憶
が上記の通りだ
この日――
原初の始祖神が
己を除く全てに対して、自らの命を、自我を、記憶を…
己を除く全てが支払うはずだった分を、全て肩代わりしていること
支払うことにより…初代と二代目であるケイトの分のみ消滅が続いていること
それが…知らしめられた
ケイト「あなたの自我を、記憶を、引き換えに
命を――私達を――存続させて――その為に消滅させてしまって
ごめんなさい
ごめんなさいっっ」
初代に、涙を流して、詫びる
人に動いてもらう時
大事にしてもらった時
愛してもらった時
思い遣ってもらった時――
動いてくれたその人の為に
動かないことに、返さないことに、
思い遣らないことに、大事にしないことに、
痛みを感じなくなった時
傷を負わなくなった時
悲しみを、苦しみを、抱かなくなった時
人は、人ではなくなり――
地獄を通り越して――
「癌」となる――
それもまた…明かされた
ケイト「うわああああああああ!!!!!←感極まって咽び泣く
私は…何も返せてない
初代に…送ってもらうばかりで、何も返せない
光を送りたくても…結局また戻って…きて……
本当に…大事に出来ているのか……
返せてるのか……わからない
痛いよ………っっ(ぼろぼろ)
己を除く全てを守る為に…
存在を、命を、自我を、記憶を…
削って、二度と取り戻せなくなってでも尽くしてくれてるのに
その負担を無にしたいのに、出来ないなんてっ」