第86章 紡ぎ

ティオナ「ねえ…ひょっとしたら……私達も消えてた？；」自身を指差す

ケイト「うん」きっぱり
『こわっ！！』ぞおおおおおっ！！

ケイト「ん～…

だからね…
どれだけ善意で気遣ったって、こっちを気遣ったり大事にしようとしない人達とは距離を置こうね？」

『…‥…』

フィン「君に言われたくは無いんだが…；」
アイズ「うん」こくこくこく
ケイト「え？；」
『同意見』じろり

ケイト「えええええ；」たらーり硬直


原初の神々『同意見』じろり

始祖神「えええええ；」たらーり硬直


テロップ『そっくり！まんま反応一緒！』

原初の神々界でも、この世でも、同じやり取りが行われていた


控えと呼ばれる帳簿は、縦30cm,横42cm,厚さ3cmのA3用紙の書類の束だ
紙の左端のみを背表紙の内側に引っ付けた無線綴じで、冊子の形状を保っている

背表紙には「癌　『取扱注意！持ち出し厳禁！！』」と赤字でデカデカと記載されている
無線綴じの為、見開きで開くことが出来、他者による記載は出来ない

常に自動更新されており、魂が癌として完成した瞬間から同時に記載され、消滅を持ってページが追加される形となっている
パラレルワールドの別の存在もまた同じ存在として見なされ、たったの1人でも消滅した時点で記載されたページが追加されるので注意

小口から見て、左側が前で昔になったもの、右側が後ろで最近になったものだ
表紙と裏表紙には前にも後ろにも何も記載はされておらず、全て無地の淡緑色
表紙と裏表紙の内（本の中）側も表紙と同様で、見返しは無く、何も記載されていない
1ページ目の紙には注意事項として、「心を鬼にすべし！！」と血文字で横書きにデカデカと書かれており（縦30cm,横42cmのA3）
2ページ目から見開きページ単位で癌の魂データが記載されている（縦30cm,横84cmのA3の2枚単位）
最終ページには「封魔　一切の慈悲無し　度し難い！！　赦すな！！！」と1ページ目と同様に前半2つは同じ書体で、後半2つは殴り書きで同様に書かれている（縦30cm,横42cmのA3）


最初のページと最終ページの前半2つは原初の神々で力を合わせて記載した
この心を忘れまいと…

だが……後々、どうしても度し難い存在が出て来た…中でも悪質極まれりな惨状に、途方も無い癌への怒りの念が込められていた