第83章 剪定
フィン「中身が無い人を「癌」と言うんじゃなかったのかい?
確かに堕落そのものとは言ったが…滅神が」
ケイト『うん…
でも…肝心な部分はそこだよ
中身の無い人であることは変わらない
でも一番大事なのは…大事に想ってくれる、慮ってくれる、その配慮を向けて下さった方に…思い遣りを、配慮を、想いを、向けることが出来るか、だ
目を、心を…思い遣りを……全く向けず、心配もせず、笑って自分ばかり大事にして、蔑ろにする…気付かない内から
だから…偽善と言うんだ』
ロキ「まあ早い話が落とし前付けろっちゅう話やな」頷&うん!微笑
ケイト『まあそうとも言う…
思い遣りに対して思い遣りで返さない
ずっとずっと返さずに酷使し続ける
その上で大事に想っていると感謝していると「口先だけで」言い続けるだけ
何の行動にも示さず、安易にその言葉だけで、想いやつもりを伝えるだけで、人が満足していると高笑いを決め込む
こき使った側が、こき使われた側に対して、一方的に…何一つとして守ろうとも返そうとも全く動かず微動だにしないままに
そう扱うことのどこに思い遣りがある?
ただの一方的な虐げを、「人を見ない(我が儘の限度を超えた)無理強い」を、善行とは言わない!!』かっ!!
再び発光する…
左目が――初めて脈動した時と同様に、瞳孔のみが白く鈍く光を宿す
内に居る、次期原初の始祖神たるケイトの内に宿る『原初の始祖神の分体』を、うつすかのように―――
ケイト『その悪行を善行と歪めること…それが、己の魂を歪める事象を引き起こす
それを人にさせるのもまた「癌」という業(ごう)、「癌」となる基盤と化す…
たとえ人にしなくとも「癌」になる、その思想が「癌」だから、その認識が人を歪めるから
凝り固まった、自分しか見えない認識が、内に在る「癌」を呼び起こすから
だから……消えてしまうんだ
どこに居ようと…巻き込む、負の爆弾と化す
「自己正当化に凝り固まることで学ばず繰り返し、怨みを買い、闇という針に覆われ」、「自分しか見えないことで受けた思い遣りを見ず無いものと扱い、返さない行為を経て、内から膨れ上がって」、破裂しやすくなる
それが…「針刺激」と「膨らむ」という「癌」の魂に訪れていた見た目の事象、その理由だ←4762ページ参照
『大事にする本懐(中身)』を無くした末路だ』
