第83章 剪定
~創世神前話~
創世神の親は、数多の魂を産んだ
その中には「癌」もいた
だが…「自ら自身の魂の膜を破って消える「癌」」が消えることを惜しみ、「癌」が自壊せずに生きられる空間を創り、密閉することで誰もが消滅を免れる造りにした
が、その結果‥「癌」は助長を繰り返し続け、空間が限界を超える程の「全てを消す闇(墨汁)」に満たされ、「本来魂に訪れるはずだった自壊」が空間に齎され、空間が壊れると共に「癌の闇」が解き放たれ、何もかも全てが消えた
「癌」によって全て殺され(消され)、創世神の親は消える間際に創世神を産むと同時に、創世神を己の魂内に無理やり捻じ込むことで、身を挺して守った
己しか何も無い…その中で創世神が、『どんな存在でも消えて欲しくはない』と願った
その『心』を喪わず、同じ轍を踏むまいと、長い間魂を産み出さずにいたのだが…
何でも完璧に出来る完成された存在、完璧な存在として産まれた創世神は……たった一人でずっと居続けることに耐え切れず(要は業を煮やし)、意を決して産むことに決めた
~創世神話~
創世神は魂を産み出す前に、己の魂の内にある『心』を守る為に、自ら魂の膜を作って覆うことで保護しようとした
『創世神の主人格』であるその『心』、『心』を司る始祖神は、創世神の膜を使って、創世神の中に居る己以外の神々に添って、7柱の神々を産み出した
それが…始祖神、滅神、邪神、清浄神、廃棄神、世界神、調停神、時空神
それぞれ得意とするものが違っており、得意とする属性は水、雷と風、闇、光、火、木、土、時である
それぞれに性格も違い、早速皆で楽しもうとした折…余った創世神の膜に変化が訪れた
その『創世神の願い』――すなわち、『創世神の心』を継ぐもの=創世神を、創世神の膜が判断し、始祖神が選ばれた
その結果――始祖神は動けなくなり、魂を産み出すことしか許されず…『己の全ての自由と時間』を対価に、己以外の全てに自由と時間を与える存在となった
原初の神々とは、創世神の世代8柱であり、それを継ぐそっくりさんであることを意味する
1兆5000億年が過ぎてもなお、始祖神のみ代替わり出来ず、
どれほどの始祖神が産まれても、『創世神の心』と『始祖神の心である剪定』を持つものは一人として産まれなかった
そして――新たに産まれ落ちる
新たな世代が
