第82章 光芒(こうぼう)
頭に感じた
確かな、懐かしい、温かな温もりと声…
前世の父上『竹若――』微笑
ケイト「!(はっ!)
(泣いてる場合じゃない!!)
諦めるもんか…
絶対に!
ここから出るんだ!!」真剣
強引に起き上がり、奮起した
ケイト「くっ
うおおおおおおおお!!!
(止めに来たということは!効く可能性があるということ!!
なら…迷ってる暇はない!!
こうしている間にも吸い取られるぐらいなら!」
バチィッ
ケイト「!」
魔力を増幅させながら手錠と接する部位の両手首へ込めて叩き付けるように引き裂こうとした瞬間
バヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂィッッ
ケイト「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!」
電流が全身を駆け巡り、絶叫が喉から迸る
両手首と両足首からのものだと気付いたのは…
頭が働いてからだった
ピクッピクッ
再び痙攣して、頭の中が真っ白になった瞬間
再び扉が開いた
ガチャ
男「忠告を聞かんからこうなる
折檻が必要だな」
扉付近でしたことで、すぐ頭上で声がした
どごおっ!!
ケイト「ごほおっ!!!」瞠目
上着の襟首を左手で掴まれて持ち上げられたまま、鳩尾を右足で下から上へ蹴り上げられた
息が全て物理的に叩き出された
ケイト「かはっ!!げほっ!ごほっ」
息が詰まる中、襟首から手を離されたことで、その場に為す術もなく崩れ落ちる
なんてことは許されなかった
床へ崩れ落ちる寸前で、手錠を右手で掴まれて上へ吊り上げられ、未だに痙攣して自力で立てない俺は自然と跪く体制になる
咳き込み終えたタイミングでそれまでの動作を終えた男が、俺の両腕を右肩に掛けたまま右手で懐から何かを取り出し…
蹴り飛ばされた鳩尾に
ガチャン
再び何かが嵌められる音がした
ケイト「ぐ…あ
ぅっ」
酸欠か魔力不足かあるいは両方か…
くらくらする頭の中で、何とかしようと藻掻こうとするも
右手で首を掴んで再び持ち上げられ、再び首を絞め上げられ…酸欠が酷くなり動けなくなった
痙攣が再び始まってから程なくして…
首を掴んだまま、首輪を嵌められた
どさっ
ここでようやく…床に倒れ伏すことが出来た
うつ伏せに俯いたままの俺に、再び頭上から声が掛かる
その時は…部屋の外に倒れていることにさえも、理解が追い付いて行かなかった