第81章 結び
始祖神「大丈夫…
大丈夫よ」
ぎゅう、なでなで
始祖神が抱き締めて頭を撫でた
『大好き』
ふと声が重なった
ケイト「大好きだ…ずっとっ
ひっく」
始祖神「私もよ
愛してる」ちゅっ←口へキス
ケイト「…」
始祖神「だから…自信持って
ね?^^」
ケイト「うん!持つ!ひっく←大きく頷く
大丈夫って…そういう意味、だったんだね」
始祖神「そうよ
だから――大丈夫
絶対―大丈夫だから
これ以上頑張ってはダメ」
ケイト「わかっ…た」ぐすっ←無理やり出そうになる涙をのみ込んだ
胸の奥に、沈み込ませるように…落ち着かせ宥めるように
そして――時間は今に戻る
実在しない、するに拘らず、世界、魂、全てを自在に行使し、操り、好きに出来る
それが…例の、実在させる、させないという権限、その真骨頂なんだよ
だから――回されちゃ困る
そもそもが、何があっても回さない
そんな意志の強さが必要なんだ
どんなに必要になっても、一線を越えたりはしない
絶対に
『剪定者』という心は、その証なんだ
絶対に回させない『楔』
それが『剪定者』
始祖神の『主軸』であり『心』そのもの
始祖神とは、創世神の『主軸』であり『心』そのもの
その根底を根差すものが、『剪定者』だった
死んでも…何ものも、ひとつとして、自分ひとりの好きにしない
させない
その心、心の動きそのものなんだよ
誰にも真似出来ない
そして…始祖神の本質もまた併せ持たないと、始祖神とは言えない
ましてや…次期始祖神とは……始祖神とは……
操作しなければならない時が来ても、出来ても――『「それ(自分ひとりの好きに操作する選択)」を決して取らないもの(剪定者)』だから
それが―――『「癌化」を押さえる大本』なのだから
フィン「非常に我慢強さを要求されるんだね」
それを聞いた折、あの時の始祖神の問い掛けが脳裏に浮かんだ…
始祖神『もし…もしも、操作しなければならない時が来たら、どうしますか?』
ケイト『しない!』←3849ページ参照
あれはそういうことか…
説明された数々の情報に、新たなそれらに、僕は固唾を飲んで聞き入っていた
なんにせよ、初めて話すのは僕だったようだ
何も言わず抱え込んでいるのだとばかり早合点したが…違った