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Unlimited【ダンまち】

第78章 火の都





だが僕もそう思う
ケイト「!?;」ぎょっ!

事実…君は、相手のやり方に迎合しなかったし…

何より…
自分の大事なものの為に、『無関係な、ただその場に居合わせただけの、他の大事なもの』を奪うことを、殺すことを、壊すことを、決して良しとはしなかった


それが一番、人として大事なことだと思う

だから…
ケイトが癌だと言うことは怒るべきことだし、怒って当然だとも思う



要は…自分のしたいことの為に、『無関係なもの』を巻き込んで殺すことを、それを減らすよう努めないことを、繰り返すことを、正当化するなという話だ……害してこられたの(害してきた相手のみ)ならば兎も角



ケイト「されたからと同じことをする
同じ価値観を持ち、貫いている
その時点で、中身としては同レベルとなる

人の大事にしているものはどれかはわからない
だから、全部を大事にすりゃ完璧じゃない?

怒ったんなら聞けばいい


それを受けて『どう在ろうとするか』、そこが肝心
形に囚われて振り回される必要はない

『本質』を成長させなきゃ」

そのケイトの弁に、僕は大いに賛成した


賛同ではない…

僕自身、同じ価値観を抱いているというのもある
だが、迎合とも違う

同じやり方で自身を表現する気は無い、という話だ



個人の数だけ、違って当たり前だからね…その示し方もまた同様に



「全ての魂の祖先?」
ケイト「いやもう、私としては――皆と楽しめればそれでいいっていうか

多くは望むつもり無いんだけども
だって私一人だけ楽しくっても嬉しくないよ
皆が楽しくなかったら意味ねえもん

だって皆からしたら巻き込まれただけじゃん、こっちの都合『だけ』で
そんなんやだよ」気まずそうに頬をかく

その反応の中にも、答えは転がっていた


「自分一人の都合だけ」で、他を巻き込んで殺す
それを受けてもなお、減らさず繰り返す
それを正しいと認識し、傷付けた他にまで押し付ける在り方を貫く

その「在り方」全体こそが、「癌」なんだと



全体の問題ではない、自分にとってだけの問題
それに他を巻き込み殺す
だが仕方ないと言う

それは大事じゃないから言える言葉だろ

大事でも何でもない人なら、殺して、殺して、殺し続けて、減らそうともしなくて、そういった行動こそが立派なのかよ


違うだろ…だから「癌」なんだよ


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