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Unlimited【ダンまち】

第78章 火の都





「癌」とは…「正しいという認識」の暴走
自分のことしか考えられない可哀想な人間

だから気付かぬまま一線を越える、つもりが無いまま…


そんな人間に対し
復讐に、同類になってでもと直走る暴動

例のギルドでの暴動、その先延ばしが限界を超えた場合…

それが実現した世界でも…ケイトは、行動に起こした



あろうことか…癌と、癌のファミリアを、身を挺して守った

癌を、背に回したまま
ピクリとも動かず、癌に何も言わぬまま……


「死んでも、その「(人を苦しめて回る)手段」を許さない」と…そう伝えたのに

「自分の果たしたい理想、大願(守りたいもの)の為なら、
他(の守りたい大事なもの、命)を捨てて、死なせても動じず、
自分は悪くない、大事に想っている、正しいことをした、そんなつもりはなかった、と頑なな態度を
心底軽蔑する」と、はっきりと言っておいて……


癌「なん…で」

「邪魔するな!!!」
「殺せ!!」

ケイト「……」

黙ったまま、静かに止めに入った

未だ結界を張ったまま、静かに真っ直ぐ向き合った
睨視でもなく、眉間に皺も寄せず、真顔のまま…


それが僅かに、苦し気に歪んだ……


ケイト「そんな人間になることを、お前らに求めてるのか?
違うだろ!!

同じになっちゃダメだろ!!何があっても…どれだけやっても……


かえってこないんだから…」ぽつり

消え入りそうな声、掠る音…鼻をすする音が僅かにし、再び声を上げた

震えた声で…
怒りに満ちた、背後にいる癌達へ向けての念を一身に受けて……


その念が、微かに緩むのを感じた――


ケイト「同じ想いを、痛みを、与えて平気なゴミに、お前までなるなよ

傾倒すんなよ
そんなことにさ……


「無関係な連中に痛みを与えて回る連中」になって何になる
「お前の気を済ます為だけ」にやって、なんになる

「お前だけがすっきりする為だけ」に、『泣く羽目になった連中』はどうなる?

無駄死にか?犬死か?どっちもごめんだね

どっちも人に強いるもんなんかじゃねえはずだ!
それはお前らが一番わかっていることだろ!!?

そっちに行ったら、おしまいなんだよ!!!

自分で自分を終わらせてんじゃねえ!!!!


たとえなにがあったって、おなじになっていいなんてりくつは!!!
このよにひとつもねえんだよ!!!!!


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