第77章 新時代の幕開け
変な夢を見た…
予知夢だろうか…
黒髪の、メガネをかけた、優しそうな男性が、目の前に立って、笑い掛けてきた
本を読み終えると、笑みが立体映像のように浮かび上がって…
それから、目の前に、今、立っている
ケイト「遠戚って…一体」
クロウ・リード「雷神」ぽつり
ケイト「――?」
クロウ・リード「今、私から言えるのはここまで」すっ←自身の口に、人差し指を付ける
クロウ・リード「後は、自分の力で探し出しなさい…
ペルセウスの親を――ヘレイオスの妻の親を――――
その――起源を
歴史とは――人が遺した、形骸化したものであって、決して真実ではない
どうか――それを、忘れないで下さい
真実は、一つとは限らない――
あなたの傍にもいる」
ケイト「何が?」
クロウ・リード「何かが…
ふふっ^^」くすり
ケイト「?」きょとん
クロウ・リード「…任せますよ――あなたに」
ケイト「へ?」
だから何を――?
そう聞こうとした矢先、夢は覚めた
真実を見つけるか、見つけないか…
それは、あなた次第だ
と、言われている気がした
フィン「…どうかしたのかい?」
ケイト「いや…
今日って、月はどうなの?
昨日みたいに、三日月?」
フィン「?
(何故そんなことを気にする?)
いいや…
新月だよ」
ケイト「……‥これもまた…必然、か」
フィン「?」
ケイト「南方に進んでいたよね?」
フィン「ああ(頷)
航路によると、真っ直ぐ南方に進んでいっているよ
夜もずっと続くだろう、明け方までは――」
ケイト「そうか…
……」
フィン「…?ケイト?
何か――気になることでも?」
ケイト「……実は…ね」
ぽつりぽつりと呟くように話していった
バレないように、眠った時の状態のまま…
こっそりと、口元と耳元にある水分を利用した、糸電話の原理を応用した通信で……
夢の内容を見たままに伝えた…男の人のことも――
予知で見てしまった、
遠い昔…彼が実際にあの光景を目の当たりにしていたことも、その時代へ飛んでしまったことも――
そして――この強大な魔力も、ヘレイオスの妻の父である『雷の龍神』、『木の精霊王の半身』で『水の龍神の実娘』であること、様々な要因が重なり合った産物…更には、先祖返り故でもあるのだと――――