第77章 新時代の幕開け
リヴェリア「…最も古き魂の生まれ変わり、か」
画面に釘付けになり、心底楽しそうに、嬉しそうに語らい合う2人をよそに
リヴェリアは…難色を示すように顔を歪めていた
その先を見据えて……
その頃――
夢の中―――
ケイト「…?
ラピュタ…?」
かたっ
丸机の上に置かれてある本を手に取り、題名を目にして呟いた
ぺらっ
そして…表紙をめくると、そこには――見たことも無い情報があった
木の精霊界、アルルェーチェ
水の精霊界、ムー
天の精霊界、ラピュタ
その昔、天から龍神が舞い降り、ひとりの小人族(パルゥム)と結ばれた
その子は、一人の娘を産み、女王となる女子を産んだ
だが…
ぺらっ←ページをめくる
ダンジョンのモンスターが攻め入り、防戦虚しく、散り散りに殺され、龍神に導かれるままに、木の精霊界へ逃げ込んだ
そこに入れたのは…
小人族の、龍神の血を受け継いだもののみ
女王に力を送り込み、何とか防壁を張り、辛うじて戦線を維持したが…
同じく力を貸した木の精霊神(木の現精霊神の親)が倒れたことに伴い、奮戦も国も、終わりを遂げるかに見えた←2175ページ参照
その時…ヘレイオスが訪れ、転機が訪れる
ぺらっ
モンスター、それら悉く全てを、己が身で打ち伏せ、殺し尽くしたのだ
己が身を犠牲にして――
その光景を目の当たりにし、
精霊神は精霊寵愛を持って一体と化すことで守ろうとし、
それに感化され、現精霊王は半身の契約を成した
何も報酬を求めずにいた高潔な姿に、信頼を抱いた
それから国を再建した
これを機に、龍神は天へと帰った
だが…その伝承はヘレイオスのみにあてられていた
これは――小人族の英雄譚、小人族に有利になる情報が遺されることを、国で最も多いヒューマンが面白く思わず握り潰したに過ぎない
だが忘れるな…
天に新月が上りし後、夜に海上を南方へ向けて進んだ時――
王を迎えに来る
天――雷の龍神を、その血に宿すものよ――心すべし
それを示すのは――己が血のみ
ラピュタ――王族
筆――クロウ・リード
遠き時を越えた、我が遠戚(えんせき)よ――
答えを知りたくば――そのまま行って真実を知るべし
あなたには、その資格があります
信じていますよ――←彼の満面の笑みが浮かぶ