第75章 神器、覚醒
ケイト「わかっても、わかっても…
どんだけわかっても…
捨てきれねえよ
もう無理だ
頭がおかしくなりそうだ
それまでずっと耐えてきたのに、耐えられたのに
学び取って、きたのに…
それら全部捨ててでも、助けたいって思っちまうんだもん
!(ばっ!)(だっ!)←振り返り、駆け出し、右手を伸ばして掴もうとする
すり抜けて、消えていくだけ…
なのに
何も残らないのは…あんまりだろ……
どうしようもない――
わかってる
助からない――
わかってる
攻撃する要因にするだけ――
わかってる!!!
わかってる……しょうがねえんだ
でも…
あいつらみたいに笑えない/ねえんだよ!!!!」
痛切な叫びが響いた
泣きじゃくりながらの声が、悲鳴が
喉笛から弾けるように、高鳴って轟いた
つんざく悲鳴が…
リヴェリア「自らが正しいという思いを捨て切れないのが癌だ
お前の言うその思いを持つ限り、正常な証とは…ならないか?」
ケイト「!」
フィン(?
それと、なんの関係が)
リヴェリア「大丈夫だ…
私達が、ちゃんと見ている
私達は、決してならない!
お前が恐れているのはーそれなのだろう?」
ケイト「……(こくり)←小さく頷く
出来ることなら
出来るのなら
誰も消えて欲しくない
ないんだよ―
理由があるから、仕方ないだなんて、笑うのは」
リヴェリア「そこで笑うのが癌だ
自信を持て(微笑)
お前は、誰よりも、癌より遠い
お前が導けばいい
聞かない奴は、放置すればいい
本人が、自分で選んだことなんだ
自分の在り方を、自分で決めて、示したんだ
なら―それに言うことは…もう…無いだろう?」
それに、黙ったまま俯いていた
涙だけが、
次から次に落ちていった…
まるで、同意するかのように……
リヴェリア「立て――ケイト・グレイロア・ディムナ!
今出来ることと向き合え!!
私達は――決してなくならないから」
ケイト「っ←抱き締めたい衝動に駆られる
(ぎゅ)←唇をきつく結ぶ
ああ――!!」真剣微笑
リヴェリア「消えるものに、消え行くものに出来るのは、それだけだ
わかって―くれるな?」
ケイト「ああ!
もう、逃げない!!(ぐしっ!!)←乱暴に涙を腕で振り払う
全力で叩き潰すだけだ!!!!」にや←拳を握り締めて構える