第75章 神器、覚醒

だからこそ――神国は今も、平和を保っている


フィン「話していて思ったが…
やっぱり、「癌」というのは爆発物、「爆弾」だと思うよ

理想を実現に起こすのはいい
だが、人のことも構わなければ、それはただの爆発物でしかない
実害や被害を出来る限り最小限にしようとも努めなければ、細心しなければ、減らせるものも減らない


一番重要なのは
『人に迷惑を掛けない』
『自分のしたことを、自分で背負えること』
『責任を取って繰り返さない』

ちゃんと背負って、自分のものとして
自分の中に落とし込めているか…

そここそが重要なんだろう」

アイズ「うん…私も、そう思う…

繰り返しちゃいけない
それは、ちゃんと悩んだりしないとダメだと思う

強くなることも勿論重要だけど…
方法が間違ってたら、そこに気付けなかったら、ずっと同じことの繰り返しになっちゃう」真剣な表情で僕等を見やる

フィン「小さく頷く）ああ

だから癌は、癌から抜け出せない。
だからこそ癌なんだ。抜け出せたら癌ではない…

気付けないし、指摘すれば悪口と受け取る、不当に貶められていると捉える、
攻撃する為の正当な理由だとまで言い出して、攻撃までしてくる。堂々とね（深く深く嘆息）

どれだけ親切心を抱こうが、想いを抱こうが…
どれだけ手を尽くそうが、何とかしようと頑張ろうが…
頑なに、そうとは捉えず、中身を見ないまま…全て水泡に帰す――


消滅の危機に瀕した状況にあるものへの叱責と、
そうでないものへの叱責したことへの叱責が、同じものだと捉える始末…

中身を見ろ、受け入れろ、そう人へ求める割には…人に対して自分は決して取らない


実に愚かだね…
上辺以外を大事に出来ない人間は」

リヴェリア「自分の我が儘や理想

それに付き合わせて、主導権を自分だけ握って押し通して
人が死ぬぐらいの迷惑を掛けて、平気でいられる奴が…
それこそが、癌という象徴なのだろう」

ティオナ「へぇー

って言うかさ…
携帯あったのにあれだけ被害出てたのって異常じゃない？；」

リヴェリア「言ってやるな
ケイトからしてもオラリオからしても異例の事態だったのだからな」嘆息

アイズ「…今度は…」
『？』

アイズ「防御結界を作る？」
フィン「待ってくれ；
そんなことをしていたら建て直しも出来なくなってしまう；」たらたら手伸ばす