第74章 融和
ベリアル「貴様一人の勝手で!
創世神様が作り上げた世界が一つ消されるのだぞ!!?
背負えるのか!!!?貴様に!!」
ケイト「背負うよ……
絶対に、繰り返させない……」
ベリアル「貴様!」
ケイト「その傷からも、想いからも、逃げないから」
涙を浮かべながら、それでも真っ直ぐに見、言い切った
ベリアル「言ったな?」
ケイト「こくり)
言った…」
ベリアル「ちっ
消えた方がよかったと、後悔することになったとしても、か?」
ケイト「後悔なら…いつでもしてる。
私さえいなければ、お母さんは縛られずに済んだ。
私さえ、私さえ、そうやって…人の責任まで、想いまで、傷まで、全部背負いこんでた…
私一人が全部悪いって、そう思えば、痛め付けられ続けてさえいれば、同じ痛みを、傷を、負う人は、僅かばかりでも減るんじゃないか、と…
そう思って、その為だけに生きてきた
それ以外に術も、生き方も、何も知らなかったから…
やりたいってことも、なかった
やりたくないことばかりで、それ以外は何もはっきりしてなくて…てんでバラバラで…
私が何をしたいのかさえ、わからなくなってた………
でも…決めたんだ……守るって…同じ想いだけは、傷だけは、絶対負わせないって……
その為なら、自分の魂一つやる!
それぐらいに、腹を決めていた
私の魂一つで足りないのなら、霊体も、私という存在そのものを消してしまっても構わない
私は……誰かが…同じように泣いているのを、笑えないっ
その上で、笑って、生きるなんて…出来ないっ
したくないっ」涙
そう涙するケイトに…
ベリアルは黙ったまま、頭の上に手を乗せた
そのまま、押し付けるように乱暴に撫で…
ベリアル「……そうか」
ケイト「…………消したいのなら…消してくれ
とうの昔に、覚悟は出来てる」
ベリアル「いや…そのつもりはない
流石、だな」
ケイト「へ?」きょとん
ベリアル「………いや…なんでも無い」
ケイト「?;
どういう?;」動揺を隠せない
ベリアル「………流石は…あの方の…
始祖神様と、そっくりだよ
いいや、瓜二つだ
全く同じことを、言ってのけるとは……
流石…としか言いようがない
流石は始祖神様の『原初の魂』
『この世を浄化し、癌化を食い止める為に送り込まれた魂』だ」微笑