第73章 キルアの冒険
キルア「そ(ぎしっ)←両手を後ろ頭で組み背もたれに預け天を仰ぐ
結局はさ…
自分が納得いく形に落ち着かせたいだけなんだよ、2人共ね。
だから「自分の為」、なんだよ…
そこに…(近しいものと助けたいもの以外の)他の奴等の意志なんて関係ねーのさ…
その気持ちなんて、傷なんて、
なんの想いも、抱いても考えさえもしてねー」
ケイト「…………
救え…(俯)
ないんだね(ぽつり)
キルア「あったりまえだろ!!
救える訳もねーよ!
いーか!?
大体人なんてのは自分が変わろうとしなきゃ変われねーの!
何で変わんなきゃとか、そーいうのを見極めも出来ねー奴が正しく変われる訳もねーの!
自分のことばっか考えてる奴等に、正しく変わるなんてこと出来る訳ねーだろ!!
お前のようにさ…
ケイトのように…
人の気持ち考えて、同じ想いさせたくねーって、どんなに辛くたって苦しくったって歯ぁ食いしばって…
誰も聞いてくんなくても、どんなに報われなくても…「あの人同じ想いをしなくて済んだんだ、よかった」、とか…「楽しそう…嬉しいなあ^^」とか…
人のことをさ…嬉しいことを、自分の幸せのように感じたり…逆に苦しいことを、本気で嫌がったり…キレたり怒るのも、それを平気で与える神経や感覚への怒りであって…自分の為でも無けりゃ、メリットにも全くなんねーんだよ。
自分の価値観や基準を押し付けなかったり、違うそれ故の『別個の正義』を悪だと認識して否定したり殺そうとか傷付けようとか排そうとか全くせずに…全部ありのままに受け入れて、そういうもの、個性と受け止めて、何も求めずに…ただ、幸せになって欲しいってさ…
自分の思い描く幸せ像を押し付けるんじゃなく、
本人の望みに耳を傾けようとする、決め付けないで見ようと出来る。
そう考えられる思考回路だったり、感覚なんじゃねーのかなって…俺は思う。一番の違いは……
なんか…こう……ほっとけねーんだ…
だったらこうしろああしろって
浅ましい奴や、ずけずけ言える奴等ばっかに、格好の標的にされそーで…」
フィン「実際いじめのサンドバックにされていたからね…
虐待で常に疲労困憊で
それでも頑張っていたケイトに、死体蹴りをして平気で…
知っていたらやらなかった?
なら最初からやるなという話だ。
人間性を欠いている分際で騙(かた)るな」
