第66章 穢れ
どこまで行っても幸せになれない、報われない、助けられない、在り方を認められない、救いなどない、与えられない。
苦労して、葛藤して、それで選んだ道を、他に好き放題に歪められて、力まで搾取されて、助けられもしない…そこが、同じで、似通っていたから、余計だったんだ。
全部…似通っていた。努力しない奴が、苦労しない奴が、力を持つ奴が、何もかもが報われて、何もかもが恵まれて、恵まれていると気付かない奴ほど恵まれて!
あって当然とばかりに利用して、搾取して、当然と笑って……
もううんざりなんだよ!!そんな人なんて、人類なんて!』
『初めて聞いたね…そんな思いの丈は』
『ちゃんと出すって…決めたんだ。
自分を大事にする為にも、自分として、生きていく為にも。
皆に、不安にさせない、心配させない為にも、ちゃんと…ぶつかる為にも。
だから…私の進む道を、ちゃんと決めた。
あれの存在は…私という名の足がかりを得る為に、必要なことだったのかもしれない。
フィン…』真剣&双眸見やる
『ん?』
『私はもう決めた。
絶対揺るがない。たとえ何をされたとしても絶対曲げない。
この生き方だけは、死んでも曲げれない。曲げるとしたら…それは、私への殺しだ。
こんな私でも…
……(ぱくぱく)←口を開くが言葉が出ない
……』口を閉じ、俯く
『………
(それだけ、不安も大きいか。
無理もない、未知の試みだし…何より、国王の分、道を踏み違えた時の被害が大きい)
…受け入れるに決まっているじゃないか』くす
『瞠目)……ありがとう』微笑
『君は、ちゃんと個を見ている。
理不尽を与えない、迷惑を掛けない、礼と義を貫け、重んじられる人間しか、ここにはいない。
君は君でいい。その個を貫き、その上で皆の個が貫けられるよう、各々の幸せの実現が一人残らず出来るよう動くだろう?僕が黙っていても』
『…うん…神石で、そうしてる。実は現在進行形で…神石を作った後からずっと』
『知っていたよ。
だから、そのままでいい。信じてついて来い、それだけでいいんだ』
『………そっか……
でも、間違った時に止めてくれと、一言だけ添えておくよ。
「間違うだろう。迷うだろう。
道は無限にあるのだから、余計。
でもだからこそ、よりよい方へ結び付けるよう努力すれば…必ずいつかは辿り着く。