第1章 幼少期
「家督を継ぐ前の信長公だ」
「・・・は?」
に、兄さまあああああああああ!?
え、え?友人の家庭がギスギスしてるからって奥州までかっ飛ばして説教垂れた!?
兄さまも私に良く似て原作大破壊者もいいとこだ!
やだ兄さま素敵過ぎる、何て良い兄を持ったんだ私
だけど私の頭は大混乱だ。どうしてこうなった!
「お市様、百面相してるぞ」
「うん、頭の整理がついてない」
「信長公は二つ名に合わず素敵なお方ですよねぇ」
黒羽さん、のほほんと言わないで下さい。
私にしたら相当衝撃なんですから、兄さまに初めて会うまでずっと原作の性格まんまだと思ってたのに
想像を遥かに超えてお茶目さんなんだから。
もう兄さまホント大好き。
「姫様、お話はここまでで」
「来るぞ」
「うん」
2人の空気が変わったので私も無理矢理落ち着く。
思考停止思考停止・・・切り替えなきゃ。
話してたら奥州に入って結構経ってたのだろう
2~3人程気配が近付いて来たので馬を止めたら
正面に、黒脛巾であろうか覆面で顔を覆った黒装束の忍が現れ頭を垂れる
「織田の姫君と雹牙殿、黒羽殿とお見受けします、黒脛巾の長、時雨と申す。
ここから米沢城までの案内と護衛をさせて頂きます」
「宜しく頼む」
本物の黒脛巾と認識したのか雹牙が返答をする。
ほうー、やっとお城に着くのか
色々作戦を練っておかねば。
黒脛巾の者達を先行に、私達は馬を走らせた