第1章 幼少期
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爆走・・・逃走中です。
ずどどどどどどって効果音が付くくらいの勢いで駆けてる私は馬に乗せられ
雹牙は慶次くんを小脇に抱え私の後ろに乗ってる状況
横で黒羽は秀吉さんをもう一頭の馬に乗って爆走なう
片手で秀吉さんを馬に乗せた時はあまりの馬鹿力にビックリして思わず二度見してしまったけど
さっきはとっさに忍二人が目潰ししてくれたので婆娑羅で隙を付けたけどあんなの今後一切有り得ないし、殴れただけでもラッキーだし
てかよく攻撃出来たなおい、わざと殴られた・・・何て事無いか、考え過ぎだよね?
「どどどどどうしよう?」
「ブレてるぞお市様」
「姫様!もう少ししたら町に出ます、恐らく松永も追ってきません」
いやいや雹牙さん無茶言わないで流石に私もキャパオーバー。どうしろって言うのさ。
獣道を駆け抜けて視界が開けたと思ったら商家やら立派な建物が見えてきた
多分これでもう大丈夫・・・いや、あのボンバーマンおじさま何するか解らんからな、注意はしとこう。
「二人とも大丈夫・・・?」
馬から降りて秀吉さんと慶次さんの手を引いてなるだけ大通りの近くの道に入って行く
何だか静かだな、と思って二人を振り返ったら微妙な顔されて。
あれ、驚かせた?
「あ、ごめんなさい、怖かった?」
「いや、あんたお姫様か・・・さっきの兄さん達は護衛かい?助かったよ」
「礼を言う、貴殿らは・・・強いのだな」
「ううん、市は、強くないのよ」
二人の手を引いて、にっこり笑って言ったら照れ臭そうに。そうか、と一言だけ。
「秀吉、慶次君!・・・君は?」
大通りに着いたと思ったらやけに綺麗な透き通る声が彼らを呼んだ
君?一括りにされてると言うことは手を引いてる私か?
「「半兵衛」」
まあ、女子も裸足で逃げ出す美貌の青年・・・じゃない、銀髪に紫仮面ったら竹中半兵衛様しか居ませんね。
二人から手を離し横に避けて待機すると半兵衛さんが秀吉さんの元に駆け寄り傷ましそうに眉間に皺を寄せた。
「秀吉、慶次君その怪我はどうしたんだい?」
「あー、ちょっと危ない奴に喧嘩吹っ掛けちまって・・・」
「そこの姫君が危ない所を助けてくれたのだ」
秀吉さんの言葉にばっと顔を向けて。
「君は、何処の姫君だい?」