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闇に咲く華

第1章 幼少期


朝餉を済ませ今日は弥三郎と遊ぼうか、と意気込んで居たら女中さんが来て・・・およ?

国親様からお呼ばれ?

何かこのパターン多い気がするなと思いながら国親様の居るお部屋に入ったら

「市ちゃん!おはよう!」
「おう、市姫よく眠れたか?」

談笑中だったのか、にっこり笑った国親様と
元気な笑顔の美少zy・・・じゃなく弥三郎に出迎えられた。

おお、昨日即席で作ってあげたお手製眼帯してくれてるのか嬉や嬉や。

「国親様、おはようございます・・・弥三郎も、おはよう」
「昨日は弥三郎が世話になったな」
「市ちゃん、父上に市ちゃんからもらったの見せたんだよ!」

ちょ、弥三郎?国親様にそれ見せたの!?
そんなに嬉しかったの?私はそんな即席な物でそんなに喜んでくれるって思って無かったから予想外です
穴掘って埋まってていい?2日くらい・・・。

目の前の大きなおめめをキラキラさせて喜んでいる子は私の心の葛藤も露知らず。

「即席ですが、何かごめんなさい・・・」
「いんや、市姫は何も悪くねえよ?謝る事は無いさ、こっちが礼を言いたい位だ」

久し振りにあいつの元気な顔を見たと頭を撫でられた。

あ・・・そうだ、昨日弥三郎が言ってた事

『今、お話しいいですか?』

口を動かしたら察したのか国親様は顔付きが変わって

『勿論、ちょっと待ってろ』

不意に顔を上げお父さんの顔になって

「弥三郎、悪いが市姫に後で向かって貰うから先に部屋で待ってろ」
「?はい父上。あとでね市ちゃん!」

良い子のお返事で部屋を出て、気配が遠くなった事を確認して国親様に向き直る
国親様の顔付きはもう国主そのものだ。流石、切り替えが早い。

「悪いな、あいつに聞かせたくない事か?」

確信を突いた言葉にコクリと頷いた

弥三郎へ向けられている奇異の眼差し、態度に国親様も聞いているうちに眉間に皺が寄って
あいつが最近塞ぎ込んでる理由はそれか、と。

昨日弥三郎が言った、弥三郎に対しての陰口はひっそりと
国親様の耳には届かない様に囁かれているらしい事が新たに判って

「あー市姫?」
「なあに?」
「何でもゴザイマセン」

国親様、片手で頭をガリガリと若干引き気味
え?私?にっこりしてますよ?怒りで腹の中渦巻いてるけどね。
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