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闇に咲く華

第1章 幼少期


14

弥三郎の部屋から私達の部屋に戻って
二人の忍も降りてきた

若干雹牙が気まずそうにしてるのはあの事でしょう
黒羽はちょっと苦笑いで、と言うことは事情は知ってるんだね

では、家族会議といきましょうか。


まず座ってから雹牙を呼び呼びし近づいて来たところで抱き付いた。
がっちり首ホールドでございます。
雹牙はちょっと慌てた様な動作ですが
私は雹牙が大好きだから何が何でも逃がしません
諦めたのか落ちない様に軽く腕を回された。
おし、オッケー
黒羽は少し離れた所で見守る姿勢で居る様です。いいのん?


「雹牙、いつもありがと、ね」
「お市様?」
「気味の悪い、市の付き人になって、我儘に振り回されて、何時も迷惑かけて、ごめんなさい」
「違う、違い、ます、謝るのは俺の方だ・・・」
「雹牙には、何時も感謝してるの、市に付き合ってくれてありがとう、付き人になってくれて、ありがとう・・・」


ここは重要、抱き付きながらだけど雹牙の赤い目を見詰めて言う

「生まれて、来てくれて、ありがとう」
「・・・っ!」

雹牙の瞳が揺れる、恐らく今までの記憶が頭の中を支配しているのではないか
全く、一体誰かね、うちの雹牙に酷い事言ったの
今後そんな奴見つけ次第問答無用で根の国に叩き込んでやろうそうしよう

再び雹牙に抱き付いた私は彼の言葉に耳を傾ける

「俺は、物心付いた頃から里で育てられ忍として育てられて・・・ました」
「話し方、いつも通りで、いいよ?」
「ありがとう、ございます・・・」

少し考える様に言葉を詰まらせ礼を言われた。
雹牙に敬語を使われると無理してる感じがして嫌なのだよ
今までもクールビューティーが売りな雹牙だったしね
雹牙の目が見える様に抱き締め直すと私を支える手に力が篭った
赤い目がちょっと辛そうに揺れている。

「・・・幼い頃は修行も厳しく、時に死にかける時もあった。だが、俺が婆娑羅に目覚め更に奇異の目で目で見られる様になった」
「うん」
「里を出る前までずっとこの髪と目のせいで、俺は化け物だと、物の怪の類だと、鬼子とも言われ続けてきた」
「そっか」

ほー・・・里ねー・・・ふいっと黒羽の方を向いて『雹牙の里ってどこ?』って口パクで聞いたら
サッと顔を青くして『絶対にお教え出来ません!』と全力で拒否られた
あだ!背後からチョップ!?
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