第1章 幼少期
「ううん!お兄さん髪の色凄く綺麗だね!
瞳も宝石みたい」
おお、弥三郎の好感度が高い!!
雹牙も珍しい反応だったみたいでポカンとしています。
・・・ん?宝石?赤い宝石と言ったらルビー、ガーネット、スピネルらへんだっけ
まだ日本に来てないはずだよねえ?
「弥三郎、南蛮の宝石見たこと、あるの?」
「前に座礁して困ってる南蛮の商人を父上が助けた事があって」
そのお礼に赤い宝石の付いた綺麗な金細工を貰ったの。
という弥三郎の話にちょっと頭が痛い。
それ多分「何○も鑑定団」に出したらエライ金額が飛び出す代物だと思います!
それを言ったら尾張の家にも色々ありそうだけど。
雹牙にお礼を言って持ち場に戻ってもらい
再び元気になった弥三郎と談笑に移る、私の手元はまた裁縫を開始してるけど。
「市ちゃんは何作ってるの?」
「ん、ちょっとまってね・・・でき、た」
最後の糸をプチっと切って出来を軽く見やる
うんうん、完璧です。
「弥三郎、ちょっと包帯、取ってもいい?」
「う…うん分かった」
左目を覆っていた包帯を外す許可を取ったら弥三郎は最初吃驚して
でも自ら包帯をシュルシュルと解いていくと
隠されていた左目が現れた。
「綺麗、ね」
右目が青で左目が赤、所謂オッドアイです
格好いい!隠してるって事は光に弱いのかな?
私の発言にポカンとしてる弥三郎の顔はとても美少女・・・じゃない
最近思考が脱線しがちだなおい
「弥三郎、左目は光に弱い?」
「あ…うん、昼じゃ痛くて…」
弥三郎の言葉が段々尻窄みになっていく
「皆この目が気持ち悪いって…」
またまた眉毛をハの字させて、いかん泣きそうだ。
「外の国では、左右の目の色が違う人を、神と崇める人も、居るの」
「え?」
「弥三郎の様な目をオッドアイと言って、人に依っては憧れの対象と、されているの」
「おっどあい?」
「市はその目、好きよ」
そう言ったら弥三郎の顔がみるみる赤くなって
とりあえず元気になったからおっけー?
おっと、忘れるとこだった。
「弥三郎、これあげる」
「これって」
せっせと装着して出来を再確認
何を作ったかと言うとアレです、アニキの眼帯
だけど私の手作りなので長曽我部の家紋刺繍入りです。
家紋は難しかったから小さいけれどその分他の刺繍は力を入れた積もりです
帰ったらもうちょっとマシなの贈ろう
