第1章 幼少期
05
鈴尾城に着いてから客室に通され待機中なう。
先触れはしていたものの、そんな都合良く直ぐには会えない。
政務中に客人着いたからってパパっと会えないのである
黒羽と雹牙には交代でさっとだけど状況を探って貰った所
弘元様は嫡男に家督を譲って隠居する段階まできてるそうな?
輿元様と松寿丸様は年が離れてる筈だから継いでも問題無い年だと思うけど
「あとは、お酒、ね?」
「「はい/ああ」」
そう聞くと二人の忍はコクリと頷く。
「姫様の仰られてた仮説の一つである毒殺の方ではなく」
「もう一つの深酒が原因の可能性が高いな」
黒羽と雹牙が継いで情報を交換してくれる。
お兄さん達、この短時間でよくそこまで情報集めれたよね
予想外過ぎて内心ビックリです。
兄さま、改めて問おう。
ドンダケ腕の良い忍付けたんですか!
はしたないと言われようが帰ったら抱きつこう。
思い切りお礼言おう。
おっと、脱線した。
さっき来た女中さんのお話だとそろそろお呼ばれされるそうなので
自分でできる限りの事の仕度は自分でする。
無理だったら黒羽か雹牙かどっちかにヘルプかけるけど。
うう・・・ちっこい身体って不便だ・・・
早く大きくなりたいけどその前にやりたい事は山積みだからね!
「織田信長の妹、市と申します」
「信長の妹君よ、遥々よく来られた。毛利弘元と申す
滞在中は我が家と思ってゆるりと過ごして戴きたい」
「兄から、書状を預かってます、どうぞ」
「ああ、すまない読ませて戴こう
して、市姫は滞在中は何か予定の程はおありか?」
んむ?予想ししてなかった質問にきょとりと首を傾げる。
何かあったかな?
「付きの、者と城下に、出掛けるかも?くらい、でしょうか」
「あの忍の者は信長が?」
「うん、市、少し危なっかしいから、家族にって」
そう答えたら弘元様が目を少し見開いてこちらを見てきた
「信長が忍を家族に?」
ああ、そっちの事か!そこは訂正しなければ。
「兄さまが、じゃなく、市が家族になってってお願いしたの
兄さまは、市の我が儘を聞いて、くれただけ」
「そうか、市姫は優しいのだな」
弘元様はそう笑って頭を撫でて下さった。
兄さまとは違う撫で方にちょっとむず痒くなる
「して、滞在中でいいのだが少し頼み事があってだな?
聞いては貰えぬか?」