第3章 大切な二つの贈り物~二つで一つ~
家康が中に入ると・・・
店主『いらっしゃいませ。これはこれは徳川様では無いですか!』
その店は初めて歌恋にクリスマスプレゼントを挙げた時に買ったお店だった。
その時はふらりと歩いてたまたま寄ったお店で、翡翠を少し使った置き物と、ハートの模様が描かれていた手鏡を見て、店の主人に「こういうのを作れないか」とお願いして、店の主人経由で職人さんに作ってもらった。
「あっ…ここ、まだこのお店残ってたんだ・・・」
思わず口に出した家康。
偶然にも10年前にも来ていたお店だった。
表は少し変わっていたが、よくよく見ると看板や中雰囲気はほとんど変わること無かった。店主もそれなりに歳がいっていたが声や、佇まいなどですぐにわかった。
店主「えぇ、徳川様はじめ、武将の皆様に良くしていただいてるので。さて、いかがされましたかな?」
家康は今回は10年前にここで頼んだ贈り物を贈った相手と無事夫婦(めおと)になり、10年の記念に何か贈り物をしたいため、色々と城下を歩いて探していたと話した。
店主「それは左様でございますか。おめでとうございます。」
店主の男は何かを思い出したようにある場所から、箱に入った何かを持ってきて家康に見せた。