【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第5章 uncomfortable fact
「え…何?ちょっと…待って…。」
俺の言葉を聞き、狼狽する皐月。
それでと、こいつ自身にも思うところがあったのか、みるみると顔が青ざめて行く。
「じゃあ…キスしたり、その…胸をマッサージしたり…、あそこを舐めたり…そういうのも…?」
想像以上の及川さんの非情さと、その行為を戸惑いながらも口に出来る皐月の貞操観念の非常識さに戸惑い、それでも問われた内容を考えれば、俺が赤くなるのも仕方のない事だ。
「ごめん!いい。答えないで!今のは忘れて!」
俺が赤面して動揺しているのを見て、皐月は自分で調べるから!と慌てて言った。
ワタワタと表現するのが適切な皐月の様子を見ていると、急にピタッと止まる。
顔色が先程よりも数段青く、今にも倒れそうだ。
「待って…私、さっき蛍くんが来た時…菅原さんとキスしてた…。」
きっと独り言だと思われる程度の呟きだったが、聞き捨てならない事が聞こえた。
「は…?菅原さん…?」
何で…ここで菅原さんが出て来るんだよ。
しかも、キスって何だよ。。。
俺の声を聞いて存在を思い出したかのように、バッとこちらを向くと皐月の目にみるみるうちに涙が溜まって行く。
「どうしよう…。私、蛍君に最低の事を…こんなの…嫌われて当然だ…。」
目の前で泣き始める皐月を、今度は抱きしめる事が出来なかった。
そうすると、皐月が余計傷付くような気がしたから。
泣いている皐月に触れることも出来ず、ただ見守っていた。