【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第5章 uncomfortable fact
side 菅原 孝支
「なぁ…月島と何かあった…?」
俺は確証が無ければ、本人にこう言う事は直接言わない。
意外と…いや、意外性はないか。とにかくビビリな性格もあり、確証も無いことを口にしてハズすような格好のつかない事はなるべくしたくない。
まぁ、そんな俺が自信を持って聞けるくらいに、皐月と月島の様子がおかしい。
とにかく会話が少ない。
少なくとも部活中は、必要な最低限の会話しか交わされていない。
それに、校内で皐月を見かけたって、今までは護衛かよってくらいベッタリと張り付いてた月島は居なくて、クラスメイトらしき女の子達と一緒に居る。
いや、そもそもはそれが正しい形なんだろうけどさ。
でも、今までの2人を知ってる人にとっては…つまり排球部全員と、たぶんクラス全員にとっては異常な状況。
2人が変わったと言うよりは、明らかに月島が皐月を避けている。
「あの…蛍君、ドリンク…。」
「そこに置いといてくれればいいから。」
おずおずと話し掛ける皐月の方を見もせずにドシャットする月島。
言葉自体は以前と変わらないソレでも、温度感が絶対的に違う。
普段の女の子と接してる月島の温度感…なんて言うんだろ?絶対零度?
まぁ、皐月とも普通に接してると言われればそれまでなんだけど…でも、入学してから数ヶ月、こんなに皐月に冷たい態度を取る月島は見たことが無かった。
原因は…何となく思い当たる。
青城のセッター、及川徹。
皐月の幼馴染であり、皐月に偏った知識を植え付けた…及川が月島に何かしたんだろう。
月島、練習試合の時もめっちゃロックオンされてたからなぁ。
月島の犠牲のお陰で、俺は今のところ何の被害も無いんだろう…とは思うけど、
月島に気の毒な気持ちは湧いて来ない。
むしろ、一番手強い相手が不戦敗を決め込んだんだ。
俺にとってはチャンスでしかない。