【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第1章 worng perceptions
side 月島 蛍
別に入学式だからって浮れる必要はない。
そもそも、祝辞とか…校長先生の話とか…偉い人の満足感を満たすだけのイベントでしょ?
強いて言えば、まだ部活も強制ではないし、午後には帰れるのが少し嬉しいくらいだ。
「ツッキー、見て!同じクラスだよ!」
クラスの張り出してある掲示板の前で、山口が大声を出しながら手を振っている。
ただでさえ、この身長で目立つのに…勘弁して欲しい。
「山口、うるさい。」
「ごめん、ツッキー。」
はーっとため息をつきながら、何組?と聞く。
「4組だよ!ツッキー!」
返って来たのは先程の謝罪なんて無視したような大きな声だ…。
もう、面倒だからツッコむのはやめておこう。
2人で並んで教室まで歩く。
小学校、中学校とクラス替えの度に気にするのは、席順。
あまりにもおチビさんが僕の後ろだと、黒板が見えないらしい。
次の席替えくらいから、先生や周りもその事に気付くのか、自然と席替え後に後ろの奴と席を入れ替えるようになってくる。
入学したての最初の席だ。
一番後ろ…は期待しないけど、なるべく後ろか、
僕の後ろにそこまで小さくない人が来るといいんだけど。
1年4組の教室の扉は開かれていて、既に数名のクラスメイトになる人達が騒いでいる。
「あれ、席順かな?」
山口が指差すので、黒板を見ると30個くらいの四角の1つづつに名前が書かれていて、その周りには、黒板、廊下、窓…と、どっからどう見ても席順だろうけど、出席番号順とかでは無さそうだ。
担任の趣味??
まぁ、どうでもいいけど。
僕は…窓際の後ろから2番目。なかなか悪くない席だ。
これで後ろの人がデカい人だったら文句なしなんだけど…。
「えっと…皐月さんね。」
「え?なんか言った?ツッキー。」
「何でもない。ひとりごとだよ。」