第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
ローはラミアと一度バーを離れると、そのまま近くで立ち話をしていた。
「あなたが頼んだもの、満月の日にしか効果は現れないわよ。まぁ今日は満月だけど…それに効果は2時間後にしか現れないから」
「別に今日使おうとは思ってない」
「へぇ、どうだか。ほんと今の恋人が気の毒だわ」
「……言いたいことはそれだけか?」
「まだあるわよ。もう1つの方は、ちゃんと身に付けさせないと意味ないからね。バックとかに入れてても駄目だから」
ローはラミアに頼んでいたのが2つあった。どっちとも数日前に貰ったのだが、碌に話も聞かずに立ち去ったもんだから、ラミアが慌てて説明しに来たのだ。
といってもローの場所を把握するまでだいぶ時間が掛かってしまったが。
「そもそも人気の商品だから手に入れるの大変だったんだからね、しかも他にも欲しいっていってくる人いたし。因みに効果と言っても…」
そしてやっと見つけたので、頼まれていた物について詳しい話をした。
それを聞いているのか聞いていないのか分からないローに、ラミアはため息を吐いた。
「ほんと頭の中は彼女のことしか入ってないのね。なんなら媚薬でもまた処方してあげましょうか?」
ラミアの取り扱う商品の品は幅広い。その中には勿論そういうのも入っている。
因みに以前ユーリに使った媚薬も面白半分でラミアから押し付けられたものだ。
「あぁ、そうだな」
なにやら騒がしくなり始めたバーを気にしていたローだったが、そこだけはしっかり聞いていた。
「……前はいらねぇって顔してたのに、あなた随分変わったわね。なんだか私もユーリちゃんに興味が出てきたわ」
見た感じ結構タイプだったし、今度お相手をお願いしようかしら。
そういうラミアは男も女もいける両刀だった。
「冗談言ってねぇで用が済んだならさっさと行け」
ローはそんなラミアの言葉に眉を顰めるとバーに視線を向けた。
「はいはい行きますよ。彼女は気になるけど手を出したら殺されるの分かってるし」
ラミアはそう言うと、どうぞ楽しんできてくださいと不敵な笑みを浮かべて去っていった。
ローは漸く解放されたとため息を吐くと、何やら胸騒ぎがしたので足早にバーへ戻っていった。