第1章 前編 時の彼女と死の外科医
そして崩れ落ち戦意喪失してるユーリにも呆気なく首輪をつけられた。
「ん?さっきからそんなに地面を見て何をしてるんだ?」
首輪を付けられてもうんともすんとも言わず、orzのようなポーズしてるユーリを不審に思ったブリードは、その顎に鞭を当てて顔を持ち上げた。
ズッキュゥゥウン!
何やら古い効果音と共に頬を染めるブリード。
「な、なんてキュートなんだ!こんな可愛い子をぺ、ペットに出来るなんて!」
やましい妄想に一人舞い上がるブリード。
そして相変わらず無反応なユーリ。
ユーリは未だにショック状態から立ち直れなかった。
「何を落ち込んでるから知らないが、私の言うことを聞くなら、お前の望みをなんでも叶えてあげるぞ。だからそんな悲しそうな表情をするな」
「まじっすか!」
ブリードの言葉を聞くや否やコンマ0.1秒で回復するユーリ。
既に脳内にはローとルフィのイチャイチャな映像が流れていた。
「ユーリ!そいつの言うこと聞くんじゃねーぞ!こんなの自力でどうにかしやる!」
「失敬だな、彼女は自ら望んで私の配下に入ろうとしてるんだ。邪魔をしないで貰いたい」
「ふざけんな!ユーリがそんなの望んでるはずねーだろ!いいからユーリから離れろ!」
ルフィは首輪を外そうともがきながらユーリに声をかけた。
そしてその言葉は、ちゃんとユーリの心に響いていた。
(っは!私は何をしてるんだ!お約束な展開は妄想だけでいいじゃないか!無理に強要して何になる、自然体が1番だ!)
ルフィの言葉にユーリは違う意味で我に帰った。
「とんだ変態ジジィだな」
ローは鼻で笑いブリードを挑発していた。