第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
ローは自室で本を読んでいた。
本当はこんな何もない島さっさと出ていきたかったが、買い物がしたいと煩い奴がいたので数日滞在することになったのだ。
そしてローにもその買い物に付き合わせようとする彼女には、最早ため息しかでてこなかった。
ユーリと別れてからローの女性関係は荒れに荒れまくった。
一夜限りなんて当たり前だが、たまにこうやって船に乗せたりもしてるのでクルー達も驚きを隠せなかった。
以前のローならそんなことありえなかったのに、ドレスローザに行ってからどこか様子のおかしい船長をクルー達は心配していた。
しかし誰も聞き出すことは出来なかったので、結局ローの好きなようにさせていた。
度々起こる修羅場と、なんとも性格に癖のある女を乗せるのはどうにかしてほしかったが、それを申し立て出来るほどの勇気は誰も持ち合わせていなかった。
因みに今乗っている女は、性格に癖のある女カテゴリーに入っており、我儘し放題な彼女に皆手を焼いていた。
なんでそんな女さっさと船から降ろさないのかさり気に聞いてみたら、なんとも身体の相性がいいそうで。
そんなの知らねーからさっさと降ろしてくれと、その場にいたクルー達は内心泣いたのだった
「キャ、キャプテンー!なんか変な女が!」
折角煩い女から解放されて静かに本を読んでいたのに、今度はクルーに邪魔をされた。
ローは明らかに不機嫌な顔で、ノックもせず部屋に入ってきた白熊を睨みつけた。
「ひぃ!?す、すいません!でもなんか変な能力を使って…」
ローの表情に一瞬ペボは顔を青ざめたが、すぐに周りが騒がしくなり始めたので慌てて事情を説明した。
船室の外は何やらざわついているようだが、なかなか的を得て話さないペボ。
「…はぁ」
痺れを切らしたローは、鬼哭を手に取り外に出た。