第2章 プライド×劣等感
私はそのまま続けた。
というか、止められなかった。
「何ができるかなんて、お前が決めることじゃない!!そんな風に人の夢を寄ってたかってバカにする奴が凄いヒーローになんか、なれるわけない!!!この、おたんこなす!!」
「ひよこちゃん……?」
椅子をおしのけて仁王立ち。
はじめてこんなに言魂を使ったようなきがした。
疲れてしまって、肩で息をした。
って
……。あれ?私今、何言った?なんで私……立ってるんだっけ?
「安藤……?いきなりどうした?」
「私、あの子の声初めて聞いた……。」
「いきなりなんだよ…?」
クラス中がざわついている。
引いてる…。
そらそうだ……。
このクラスで今までも、そしてこれからも発言する予定なんてなかったのに……。
視線が痛い。
「てめェ今なんてった?」
「ひっ…」
みんなの視線…プラス勝己くんのとんでもなく恐ろしい声。
もう、座り込みたかった。
「…お、おたんこなす………び?」
「おたんこなすだぁ?てめェ、どこ志望だ?」
勝己くんが般若みたいな顔でこちらにゆらゆらと近づいてきて、私は死を悟った。