第31章 A world without you
Side
「__こ。」
「ひ__。」
「これからもずっと、__だから。」
真っ暗で、
何も見えなくて、
そんなところに私は
落ちて、
落ちて、
落ちている。
私、どうなっちゃうのかな。
このまま、闇に溶けちゃうのかな。
そんなの、やだよ
もっとみんなと一緒に居たい
彼に想いを伝えたい
お父さんに、謝りたい
あっ
目を開けば、視界の向こうは真っ赤っ赤。
赤の向こうに見えるのは、ヒーロー達の険しい表情で。
私、もう敵なんだ。
って。
さっき、
何かどす黒いものが心に流れ込んできた気がして、
私、そんなのと混じっちゃうのかと思うと怖かった。
敵になりたくない。
だって私、ヒーローに____
これ以上傷つけなくなくて、
これ以上傷つきたくなくて、
私は分厚いバリアを張った。
真っ赤なそれがあれば、
もう何も見えなくて、なにも考えずにすんで、
でも、寂しいって思った。
あぁ、暗い。
暗くて冷たい。
誰か私の名前を
「__う!!安藤!!」
バリアの先から聞こえる声は、
その光は、
また別の赤だった。