第16章 合理的はなまる
「終わったー!!」
期末の筆記試験は3日間で行った。
出来はというと、まぁ……えっと、空欄はない!と言った感じだ。
でも今までのテストでいちばんよく出来た気がする。
ももちゃんに教えて貰ったところも勝己くんに教えて貰ったところもでて、テスト中の脳内では彼らへ感謝の舞を舞った。
「ほへぇ…。」
「安藤!どーだった?初めてのテストは」
筆記試験が終わったという達成感でちょっぴり放心していると、鋭児郎くんが元気よく声をかけてくれた。
「あ、えっと、教えて貰ったところがでてね、ちゃんとできたよ!空欄なし!」
「そうか!俺も、爆豪に教えて貰ったとこ出たからいけたぜ!」
「そ、そっか、やったね!」
『好きになってもらうように、俺頑張るわ!』
あれ以来、鋭児郎くんと話すのにちょっと緊張するようになった。
好意を向けられている…って…わかってると、なんというか…その…なんだかこそばゆくて……い、嫌ってわけじゃない!嫌いってわけじゃない!……そうじゃないんだけど…その……まだちょっぴり普通にできない。
「まだ安心はできないよな…。実技試験あるしな!そっちが本番って感じだし。」
「そ、そうだよね……がんばらないとな…!」
そう言いながら両手をぐっと握り力む。
そうなんだ。一番心配なのは実技試験。
体育祭であんな結果だった私は、心配で心臓が止まりそうな程だ。
絶対に頑張るんだ!頑張って、みんなと林間合宿に行くんだ!!
そう心に強く誓った。