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【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】

第6章 ENVY








漸く天守へと辿り着き、見慣れている筈の辺りをくるり、と見渡す。
信長がいるであろう間からは、襖を開けなくとも、ひりひりと強ばるような気を感じる。
金箔に縁取られた豪華な襖絵、その中の鬼と目が合うように思う――何故今日に限って、そんな些細な事が気になるのだろう。




打ち払うようにかぶりを振って、失礼致します、と声をかける。






「家康か、そのままで良い。話せ」





何か取り込み中だったか、と思いながら。
いつも通り淡々と報告をする。
相手によって心情を込めるなど、彼は望んでいないだろう。



その選択は間違っていなかった様で、報告を終えた俺に信長様は満足げに、相わかった、と応えた。





「今日は軍議を開くつもりもない。
もう御殿に戻り、ゆるりと静養せい。

明日からまた、更に励めよ」



「御意」





下がろうと立ち上がったその時、更に奥の間から何処か見覚えのある女中がさっと駆け出し、階段を足早に下りていった。
信長様付の者では無かった様に見受けられる…何故かどうにも気になり、そのあとを追う。
何階か天守から下がった、最近よく訪れている部屋にすっと入った。




「…千花の部屋?」





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